biography
再開発

地域の再開発が目白押しだ。ついこの間はB地域、以前はA地域、そして今度はC地域だ。「凄いなあ。しかもいいことだ。街がきれいになるんだから」そう私は思った。ところが今度は私が住んでいるこの地域が再開発になってしまつた。「どうして、こんなことになってしまった」私自身も私の家族も崩壊寸前だつた。そして、とうとう借りていたアバートを追い出されてしまった。私たちには何の保障もなかった。「どうしよう」行く当てもない。私は叫んだ「街がきれいになる?私たちは街のゴミなんかじゃない。バカにするな」



リセット

「ああ、もうやめやめ」。「ハイ、リセットして、もう一回スタートや」。
どんどんどん、一階からお母さんが上がってきた。「あ、お母さんや」。「あんた、勉強しないでいいの?」。「待って、もう一回だけ。このゲーム終わったら、勉強するから」。「あんた、いいか、勉強しないとたいした人間にならないよ」。「そう言ったって、勉強したって、たいした人間にはなれないよ」。「それでも学生の間は勉強が仕事みたいなものだからね。勉強しなさい」。「ハーイ」。お母さんは部屋を出て、一階へ。「勉強、勉強ってほんとうるさいな」。「あんまり言うとこのゲ゜ムの怪獣みたいに殺しちゃうぞう」。「あ、またやられた。ウルトラマン弱すぎ」。「はい、じゃ、またリセット」。



これから10年

どんな生き方をするんだろう。これまでもこれからも同じように生きていくんだろうか。ふと、誰かが笑顔でやってきた。おもわず、目をそらそうとした。それでも視線を感じる。ぼくは思い切って、正面を見た。そこには10年前のぼくがいた。そう、10年前のぼくは笑っていた。今のぼくは、思い切って鏡を覗き込んだ。おじさんが立っている。ぼくはおもわず笑った。



おれは、たかしだ

「たかし、早く起きて」。「たかし、今日から、あなたは社会人なのよ」。
「たかし、起きたら、早く、準備して」。「たかし、朝ごはん、食べる時間 ないよ」。「たかし、はい、お弁当持って」。「たかし、気をつけて」。
「たかし、もう行ったのか」。「たかし、お弁当もあるんだ。今日から、社 会人だし、しっかり、がんばれよ」。
「そう、おれは両親が決めた名前、たかしだ」。



ラブストーリー禁断の恋

愛はせつない。だって友人の彼女にひとめぼれしてしまった。来る日も来る日も彼女のことが脳裏に浮かぶ。抱きしめてキスして、燃えるような恋のせりふをひとつ、次の瞬間、目が覚める。リンリン、電話の音で起こされてしまった。「はい、もしもし」、「あの・・・」、「だれー」「あの・・・」「あ、ひょっとして、さやかさん」「はい」「どうしたの」「近くにいるの、寄ってもいい」、「あ、いいよ。あいつもいっしょだよね」、「いっしょじゃないの。」「あ、ごめん。おれさ、バイト、そう、バイトがあったけ。ごめん、切るよ。」、「ガチャ」、一瞬あいつの顔が脳裏に浮かんだ。なにやってんだ、たかが、女じゃん。おれのものにしてしまえば・・・。できるわけないよな、あはは。・・・。  翌日の新聞で事情を知った。あいつがまさか、・・・新聞の記事にはあいつがオートバイ事故で死んだことが書かれていた。「まさか、あいつが・・・」。それから、おれは急いであいつの家へ出かけた。あいつの家は、親戚やらいろんな人が出入りしていた。「あ、おばさん、・・・」あとは、おばさんの顔を見ると言葉にならなかった。「よく来てくれたね。たかひろさん。あの子の顔を見てやって」。
帰りぎはぼくは彼女にあった。「ごめんね。こんなこととは知らず、電話を切ってしまって」ぼくはできるだけ、やさしくあやまった。彼女は疲れきった表情をしていて、ただひとこと「私、どうしたらいいか・・・」ぼくは、彼女の傍に立ち、できるだけ、一分一秒でも長く彼女といっしょに居たいと思った。あいつの顔はもう脳裏にうかばない。